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 Vol.1 校長からご挨拶

 <Vol.2-19>

 Vol.20 昔の話

 Vol.21
  スミスと私とヘドン(1)


 Vol.22
  スミスと私とヘドン(2)


 Vol.23
  スミスと私とヘドン(3)


 Vol.24
  スミスと私とヘドン(4)




玉越アカデミー

玉越アカデミー校長室 Vol.23

スミスと私とヘドン(3)
< スミスウッドクラシック >

 校長室Vol.3でも少し触れましたが、ヘドンのウッドクラシックシリーズは1965年〜1970年まで生産されていました。

 私が初めて手に入れたのは1976年か77年頃だったと思います。当時、私はまだ西武百貨店の釣具売り場に勤務していたのですが、釣り仲間が都内の小売店でワゴンセールになっていたヘドンのウッドプラグを買ってきてくれたのです。

 多分、オリムピックさんが輸入したのでしょうが、バス釣り自体をまだ知らない人が多かった時代ですから売れなかったのでしょうね!

 その後、スミスに入社して、若林君と共にオールドへドンを集めだしてから、オールドとウッドクラシックではボディー形状が違うことに気づきました。そこで本当のオールドヘドンを復活させたい思いから、ヘドンに依頼してスミスウッドクラシックが始まりました。

 トップバッターは「VAMP(バンプ)」、そして次は「BASSER(バサー)」を1982年に発売したのです。我々が一番拘ったのはボディー形状でした。今でも最初に送られてきた「バンプ」のサンプルに対して、

「我々の希望しているのはもっと細身の物で、地下の倉庫で確認して・・・・」

のメモが残っています。

 1983年には「ザラゴッサ」・・これも私の持っていた「ザラゴッサ・オブ・フロリダ」

と呼ばれていた当時のボディーを採寸して、図面にしてヘドンに送りました。

後に、これを20%縮小して作ったのが「ザラゴッサJr.」となったのです。(校長室Vol.3参照)

 下がスミスが販売したザラゴッサ
しかしながら、

実際には100%昔のボディーシェープにはなりませんでした。

何度かヘドン側とのやり取りがあったのですが、ある程度のところで妥協せざるをえませんでした。

 しかし、まだ本当のオールドヘドン復活を諦めませんでした。

 今度は日本に紹介されていないプラグの中から作れそうな物を選んで復刻を試みました。それが1984年のカタログに載っている

「S.O.S.ウンデットミノー」と、

「ミジェットクラブウイッグラー」です。

 まずは私の持っていたオールドの「S.O.S.ウンデットミノー」をヘドンに送り完璧にコピーするように依頼。同時に3層のグラスアイも作るように打診したのですがヘドン側では不可能との返事でした。そこで日本で動物や人形の眼を作っている会社に問い合わせしたのですが、

「ガラス製の眼は今はもう出来ないよ」

と言われてしまいました。それではと、剥製も手掛けていた仕入先に聞いたところ

「出来るとしたらドイツのオットーリンデマンと言う会社だろう」
との情報を得てスイスの親会社を通して探し当て作る事が出来ました。

こうして3層のグラスアイを装着した「S.O.S.ウンデットミノー」は1984年に発売する事ができたのです。

仕上がりは完璧とは行かないまでも合格点でした。

SOSウンデットミノー

と、ここまでは良かったのですが・・・・次の「ザラゴッサJr.」で躓いてしまいました。

 眼の周りが汚い、塗装が薄い、サーフェイスリグではなくヒートン、等々。(校長室Vol.3参照)

 この事は、その時すでに進めていた

「ミジェットクラブウイッグラー」

に影響を与えてしまいました。私の持っていたオールドモデルから金属パーツを外してヘドンへ送ったのですが、

「出来ない。」

という返事。ボディーの形状についても安心出来る情報も無く、ヘドンの会社組織が変化して行き以前のような対応が難しいのでは?と感じられるようになったのです。

 このような状況から私は、「ミジェットクラブウイッグラー」の生産を断念しました。

 何とか作れたとしても、また出来が悪くて嫌な思いをするのは避けたかったのです。

今も私の机の中には、

「ミジェットクラブウイッグラー」

のパーツを外した残骸が残っています。

 こうして1984年と1985年にスミスのカタログに載った

「ミジェットクラブウイッグラー」(85年に載ったのは「ベビークラブウイッグラー」ではないか?と思います。何故そうなったのか?は記憶にありませんが!)

は発売されないまま、スミスのウッドクラシックは幕を閉じました。  



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