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玉越アカデミー校長室 Vol.11
FO−60の変遷
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スミス40周年プロジェクトから、アイテムが発表されていますが、スーパーストライクからは、FO−60がパールホワイトを纏って発表されました。
スーパーストライクのロッドの中で、発売当初から現在に至るまで落ちることのない人気のFO−60ですが、発表から31年を経る中で様々な問題に直面しながら変らない品質を保つため苦労を重ねてきました。40周年モデルが発表された今回は、そんな素材の歴史を振り返ってみたいと思います。
FO−60の変遷
スーパーストライクが誕生した翌年の1979年、FO−60はグラスのトップウォーターロッドとして発売されました。ただし、この時はリザーバースティックの名が示すようにダム湖でのトップを含むハードベイトでのゲームで使い易いロッドと言う意味合いを含んでいたのです。ベースとなったのは、勿論あのフィリプソンです。
発売以来、使い易さ(キャスタビリティー)と独特の粘りが人気を得て、さらに雑誌媒体への掲載も多かったことから、グラスのトップウォーターロッドとして第一期スーパーストライクの最後の年となる1987年まで代表作となりました。
発売当時は、カーボンロッドとグラスロッドを比較すると、グラスロッドの方が多かった時代ですから、ブランク素材としてのシートもグラスの方が種類が豊富だったようです。しかし、製造技術的にはまだ問題が有ったのか?出来上がる製品に多少の不満も有ったのです。
以前にも何処かで書いたと思いますが、ロッドが出来上がる度に少しづつ調子が変っていたりしたのです。同じ年でも、3月に入荷したものと、9月に入荷したものでバットが柔らかくなったりした事もありました。その都度、工場側との調整に追われてイライラしていた、そんな思い出もあります。
ですから、発売当時のロッドと、第一期最後の1987年のロッドを比較すると、バットが柔らかく全体にスローになっています(全く違うロッドというほどではありませんが)。トップウォーターロッドとしてのプラッギングにはむしろこの方が良かったのかも知れませんが、重いプラグを使う方には「少しかったるい」と感じたのではないでしょうか?
そして、13年の時を経て「30周年記念」として2000年春に発売された
「FO−60 30th.Anniversary」。
これを発売するにあたって我々が考えたのが、最初のアクションを復元しよう。と言う事でした。
しかし、お恥ずかしい話、スミスには発売当時のロッドがサンプルとして残っていなかったのです。そこで古い社員から手持ちのロッドを調達して(使い込んでいたので多少腰が抜けていましたが、其の辺も考慮して)作りあげました。ですから少し硬いと思われた方も多かったのではと思います。最初のモデルはあまりスローではなかったのです。
それから6年後、2006年に、マグネシュウムグリップを装着した、スーパーストライクが復活します。
この時は昔の材料がすでに無くなっていましたが、同じ種類の素材で製法が進化した、繊維の繋ぎに使用している樹脂の量が少なくクロスを作ることが出来る低レジンコントロールの素材(軽く、繊維素材の特性が生きる)を使い、アクションを合わせる為一からサンプル作りを開始して作り上げ、クラシックシリーズとして発売しました。
しかし、この素材もすでに生産中止となり、残った素材で作ったロッドも2010年春で売り切れとなったのです。
従って、今回の40周年記念モデルは、さらに違う素材(Sグラス)を使って、スミスに保存してある白のボンガイド使用のFO−60をモデルにアクションを合わせてゆきました。Sグラスの特徴は軽くて強い(張りが有る)のです。ですから同じベンディングカーブでも少し強いと感じるかもしれません。ですが、前述したように持っている年代の違いで柔らかく感じる人もいるかもしれません。
私自身は少し使って、多少腰が抜けた位がベストかな?と思っています。
昔のFO−60を持っている方はこの40周年モデルを使うと素材の進化を感じる事が出来るのではないでしょうか。
ハトリーズキャンペーン賞品だった FGO-65M のパールホワイトモデル
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