ファンクラブトップ


メンバートップWeb版 Surfaceミュージアムイベント玉越アカデミー校長室お問い合わせ

会員情報


会員ページへ
会員ログイン


 Vol.1 校長からご挨拶

 Vol.2 ヘドンのスミスカラー

 Vol.3 ザラゴッサ Jr.

 Vol.4 「WORKS.2010」

 Vol.5 雄蛇ヶ池の悪夢

 Vol.6 初バス

 Vol.7 我慢できない自分

 Vol.8 裏セミ

 Vol.9 「ロッドとプラグと
       ラインの関係」裏話


 Vol.10 日記帳から甦った
      津久井湖の記憶


 Vol.11 FO-60の変遷

 Vol.12 IHFE・マグナム
        40thカラー


 Vol.13 相模湖

 Vol.14 5月の明暗

 Vol.15 夏の思い出

 Vol.16 バス釣り・・
      ・・沢山のing


 Vol.17 沢山のing・・
      ・・プラッギング


 Vol.18 グリップの話

 Vol.19 ロッド作りの裏話

 <Vol.20〜>



玉越アカデミー

玉越アカデミー校長室 Vol.7

「我慢できない自分」


 先日、ヘドンのチャガージュニアー(Chugger Jr)を手に入れました。

 チャガスプークは古い物も含めて4〜5ヶぐらいは持っているのですが、小さいサイズはスミスで取り扱っていたにも拘わらず、持っていませんでした。理由はベイトで投げるには少し軽くて飛ばないし、ノーマルサイズのチャガスプーク(5/8oz)がちょうど良い大きさだったので興味が湧かなかったのだと思います。

 今年に入ってM君と会う機会が多くなり、バス釣りの話になると彼から、芦ノ湖で前後の鈎にダブルヒットした、「ほんと良く出るんですよ」なんて話を何回か聞いてはいたのですが、あまり強い印象で残ってはいませんでした。

 6月に入って彼が鳥居君と津久井湖へ行って80cmのコイが出てしまい、20分以上かけて釣り上げたと聞いた時も、

「その後もコイが喰いそうになったんですよ!もうイヤだからピックアップしちゃいましたよ」

と熱く語っていた時も、

「そうかい、色がいいのかね〜」

と軽く流していました。

 そして6月後半のある日、彼を含め4人で芦ノ湖へ行く機会がありました。現地に着いて見ると、強い雨に強い風、霧で視界も悪く、まさに嵐の真っただ中。
 しかたなくボート屋さんの休憩室でコーヒーを御馳走になりながら天候の回復待ちをしていると、彼はタックルボックスを持ち出してきて、

「これ、これですよ。僕の切り札のチャガジュニアーは」

と言ってシルバーのプレート入りのルアーを私に手渡しました。

「きっと音が違うんだと思うんですよ。こいつだけは、ボコッ・・・ボワッとこもったような独特のいい音出すんですよ。」

ときた。

 音・・と聞いて私には一つの記憶が甦ってきた。

 もう何十年も前の夏の池原ダムでの事、夕方のうす暗くなってきたダムサイド付近で私と同船していた鈴木君がチャガスプークで連発した。私も負けじとチャガスプークを使ったのですが、私のチャガには反応なし・・・。すると彼が

「音が違うんだよ!僕のは古いチャガだからカップの形状が少し違う、だから音の出方が違うんだ。」

とニヤッとほほ笑んだ。確かに音は違ったし、前方へ飛ぶ水飛沫も違っていた。結局、この後も私のチャガは沈黙し続けました。
東京に戻ると直ぐに古いチャガスプークをアメリカのコレクターから買い入れたのです。鈴木君よりも古いものを・・・・・・。


 話しは戻って芦ノ湖の結果ですが、雨、風、の様子を見ながらも出船し何とか1日頑張ったが、最後の最後にM君にやられてしまいました。

「来ましたよ〜」

 の声に振り向くと彼のグラスロッドが根元から曲がっている

「大きそうだね、見に行くかい?」
「しゃくだから無視だね!」

 などと話していると、彼らの方から近づいてきたので、ボートの中を見ると40UPの立派な芦ノ湖バスが横たわり、口元には例の切り札が・・・

 完全に我々の完敗でした。


 帰りの車の中で

「チャガジュニアーか〜、こいつは一度使って見ないといかんな〜」

 という思いが強くなり、帰宅後直ぐに2回の納戸からヘドンのオールドプラグを入れたダンボール箱を引っ張り出してチェック、やはりChugger Jr は有りません。そこでヤフーのオークションサイトをチェック、ここにも無いのでアメリカのeBayで検索・・・有りました!

 色は違うけど確かに金属板の入ったChugger Jr です。さあ〜どうしよう!

「おいおい、いい歳してまだそんな事してんのかい、どうせ余り使いやしないんだから止めときな」

 とブレーキを掛ける自分と

「今がチャンス、ここは買わなきゃ、こいつを使って新しい発見があるかも」

 とけしかけるもう一人の自分が交互に現れ悩んだ挙げ句、理性が勝ってこの日は保留。

 しかし翌日になっても何か気になっていて、昼休みにeBayを眺めている始末。期限は翌日の昼、もう無理、買うしかないと、其の夜「入札」をクリック、上限金額を最初は$15と見たのだが、打ち込む寸前に・・そこまでは行かないなと思って$12.50で入札。

 ところが昼に確認すると何と$13.25で他人に取られてしまっているではありませんか!(一応、押さえで入札した$8.00の物はゲット出来たのだが)

「あ〜何てことだ、たかだか300円(3ドル)ケチった自分に腹が立つやら情けないやら・・」

もう何十年も釣りをして来て、色々な経験を積んだ、沢山のルアーも持っているし使っても来たいい大人が・・

「何やってんだい」
「馬鹿じゃないの」

と自分を責めては見るものの、その一方で、

「これが釣り人なんだ」
「こういう気持ちと行動を起こせる内はまだ大丈夫」
「まだ伸びる要素はあるぞ」

なんて勝手に納得して今日もパソコンに向っている我慢できない自分がいました。

 上の段は、1982〜1988年までスミスで販売していた Chugger Jr.
(カタログ表示はベビーチャガーだが本体には Chugger Jr. と印字されている。)
下の段は今回手に入れた Old Chugger Jr.です。太さが明らかに違います。



金属プレート入りのチャガスプークとJr.


[ ページの先頭へ ]    [ クラブトップへ ]    [ Next ]

(C) Copyright, SMITH LTD. All rights reserved.