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 Vol.1 校長からご挨拶

 Vol.2 ヘドンのスミスカラー

 Vol.3 ザラゴッサ Jr.

 Vol.4 「WORKS.2010」

 Vol.5 雄蛇ヶ池の悪夢

 Vol.6 初バス

 Vol.7 我慢できない自分

 Vol.8 裏セミ

 Vol.9 「ロッドとプラグと
       ラインの関係」裏話


 Vol.10 日記帳から甦った
      津久井湖の記憶


 Vol.11 FO-60の変遷

 Vol.12 IHFE・マグナム
        40thカラー


 Vol.13 相模湖

 Vol.14 5月の明暗

 Vol.15 夏の思い出

 Vol.16 バス釣り・・
      ・・沢山のing


 Vol.17 沢山のing・・
      ・・プラッギング


 Vol.18 グリップの話

 Vol.19 ロッド作りの裏話

 <Vol.20〜>



玉越アカデミー

玉越アカデミー校長室 Vol.17

沢山のing・・・プラッギング

 トップウォーターの釣りにおいて「バスを釣り上げること」は別として最も面白いし奥が深いのはプラッギンギグでしょう。

 この釣りを始めた頃、私にとって一番重要なことは、前回も書いたようにキャスティングでした。狙った窪みの奥へギリギリに入れる。それが決まった時の達成感がとっても好きでした。

 そこからのプラッギングはと言うと、「チョン、チョン」とロッドを煽って首を振らせ(いわゆるウォーキングドッグと言うやつです。)それを何度か繰り返したら、はい次のキャスト、ってな具合でした。

 使うプラグはなるべく首を振らせ易い物・・・クワイエットタイプ(昔はペンシルベイトをこう呼んでいました。)を多用していました。ヘドンのザラII、そしてハトリーズです。

 羽鳥さんの作り出すプラグ達は実に良く動いてくれて、何時しか私の主力プラグとなって行きましたが、この頃既にトップウォータープラグで多用されていた(良く売れていた)のはスィッシャーやポッパーだったのです。

 でも私は何時もクワイエットタイプ。スイッシャーやポッパーでは首振りアクションが思うように出来なかったからです。その当時は首を振らせられなければダメ。と思い込んでいたのでしよう。

 こうして知らず知らずの内にプラッギングの経験年数が積み重なって来たのですが、実はバスを釣ると言うこととは別に、プラッギングを楽しんでいるんだな〜と強く認識するようになったのは、ここ4〜5年のことです。

 きっかけは近年一つのブームともなったダブルスィッシャーのただ引きです。本山さんの開発したAプロップがきっかけとなって、今では数多くのダブルスィッシャーが販売されています。Aプロップについて言えば、デッドスローでも回るプロペラ、ボディーの上に薄皮一枚水を纏い微かに揺れる本体、水面に帯となる引き波、が作用してバスを水面へと誘い出す効果は抜群です。

 私自信も、今日はダメかな〜、ここは出ないとおかしいよな〜、などのシーンで何度も救われた事があるのですが・・・・ただスローにリールを巻いて来るのが面白くなくて耐えられなくなってしまうのです。

 やっぱりあーでもない、こーでもない、と想い巡らせながら動かしていた方が楽しいのです。

 キャストし、ラインの先に結ばれているプラグをロッドとラインスラッグを操って自分の意図するように動かして(泳がして)、思い通りにバスを誘い出せたら、こんな痛快な事はありません。

 きちんとした機能を持ったプラグなら、杭の向こうにキャストして小さく動かしながら間合いをつめて杭に纏わり付くように添わせた後、今度は右に小さく、左に大きくスライドさせてだんだんと左へ寄せて左側の杭に当てる。こんな芸当も出来るようになるのです。

 さらに最近気になっている事は、

そのプラグの持っている機能を100%生かせているのか?
生かせていたのか?
ただ首を振らせる事に拘り過ぎていないか?
もっと違う間合いで誘ったら凄くバスを引き出すルアーだったかも?

そんな事を考えながら使い方を色々試しているこの頃です。

 先日のスーパーストライクディ in 琵琶湖でこんな質問を受けました。

「スティッキー#0を上手くスライドさせることが出来ないです。直ぐに水面下へ入ってしまうのですが・・・」

こんな趣旨の問いかけでした。

「スティッキーはミノーペンシルです。ミノーペンシルとして持っている機能はスライドアクションだけではなく、水中にスッーと入ってギラッと体をくねらせながら左右にスライドして出てくる。これもこのルアーの特性ですから、チョンチョンと首を振らせたらスゥーとロッドを引いてこのアクションを引き出してやる。このコンビネーションが効果的なので首を振らせることだけに拘らない方が良いと思います。」

とお答えしました。さらに、

「どうしてもスライド主体のアクションを出したいなら方法はあります。

 アイリングの下側にラインを結んで使ってください。

 これならスライドアクションが出易くなりますが、水中へ入ってのアクションは出来なくなります。」

これも実際に操作してお見せして納得していただきました。

「ただ作り手がそのルアーに込めた想い、狙いは前者なのではないでしょうか?」

ともお伝えしました。

 しかし、トップウォーターの楽しさ、面白さは独自の使い方で自分流の世界を作れるところにもあるのです。WSO(ウィゾ)について羽鳥さんとお話していてこんな事がありました。当社のあるスタッフが

「45Bを使っているのですが、クッ、クッと動いた後にクーンと直線的に大きくスライドするんですね。あれが凄く好きなんです。良く魚も出るし」

と興奮気味に話したら羽鳥さんから

「そうなんだ〜皆はそう使っているのか〜、でも本当は違うんだよね。」

と言われてしまったそうで、その後、「じゃ〜どうやって使ったら良いのですか?」とは聞けなかったとの事。

 後日、私が羽鳥さんにお会いして使い方を確認したところ、

「直線的に大きくクーンと動くけれども、なるべく小さく(優しく)スッーと直線的にアクションさせた方が魚は出るよ。」

との事でした。

「まあ〜そうじゃなければいけないって事ではないんだけどね!」とも付け加えられました。

 実は、私自信も45Bは少し強めに手首を返すとクックーンと直線的に大きくスライドして気持ちがいいので必ず入れていたアクションだったのですが、これ以降あまり大きなアクションを付けずに操ってみました。

 結果としてなるほどと納得する動きも確認できましたし、バスも釣り上げました。
 が、今は自分の好きな大きめのスライドを織り交ぜながら、さらにほんの少し水中へダイブさせる動き(バスの活性がいまいちよくない時に有効で、吸い込みバイトを誘発する。)も時に加えて玉越流を試しているところです。

 WSOを綺麗にアクションさせるのが難しい、ちゃんと動かない、といった声も聞かれますが、きちんと扱わないと動かないルアーだからでしょう。

 だからこそ、挑戦して出来た時の達成感、そこから広がる新たな試み、そんなプラッギングの奥深さや、楽しさをWSOによって再認識させられている今日この頃です。


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