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玉越アカデミー インフォメーション
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玉越アカデミー校長室 Vol.3
「ザラゴッサ Jr.」
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今回もヘドンに関する事ですが!
先日、知人のブログを見ていたら「ザラゴッサJr.」のことが、その数日後には「ザラゴッサ」も紹介されていました。特に「ザラゴッサJr.」については浮き方等を含めて賛否両論がある旨の記述もありました。
この件では私の「僕のヘドンストーリー」でも少し紹介したのですが、スミスの「ザラゴッサ」、「ザラゴッサJr.」には私自身がかなり係わっているので、ここでは発売の経緯も含めて詳しく紹介したいと思います。
私が「ザラゴッサ」を初めて手にしたのは1970年代前半に「Heddon Dowagiac Wood Classics」シリーズ(当時オリムピック社が輸入)の1つとして売られていた物でした。それも某釣具店のセール品のワゴンの中で!
その後、スミスに入社してからウッドシリーズを復活させようという話が持ち上がり、それならオールドヘドンの形状にしようと決めたのです。
1983年スミスカタログより
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だから、1982年に発売した
「バサー(Basser)」も、
「バンプ(Vamp)」も、
「Dowagiac Wood Classics」 シリーズの物とは形状が微妙に違っていたはずです。
そして、次は
「ザラゴッサ」と
いうことになり、私の持っていた1930年頃の「Zaragossa of Florida」を簡単な図面にしてヘドン社へ送り、1983年に発売しました。
*「Dowagiac Wood Classics」よりは細身です。
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しかし、「日本ではこのサイズは大きいよね〜」ということになり、20%縮小したモデルの製作を依頼、目玉も昔の3層のグラスアイに拘り、ドイツで製作して装着。
こうして1984年に日本だけのオリジナル、「ザラゴッサ Jr.」 が誕生したのです。
日本だけの販売であった為、アメリカのコレクターから注目を集め、アメリカ国内では600ドルで取引された?との話を聞いたこともあります。
実は私自身にとっては、この商品は満足のゆくものでは有りませんでした。
せっかくグラスアイまで作ったのに、それをはめ込む目の凹み部分の角が凸凹で仕上げが汚かったからです。
当時、これを買った人の中にもきっと「目のまわりの仕上げが汚いな〜」と感じた方が沢山いたと思います。
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ベリーもフックハンガーではなく、スクリューアイになってしまいました。
だからこそ、2006年に再復刻生産をするときには、特に目の部分の仕上げを奇麗にするよう注文を付けました。
さらに、サンプルを取り寄せて私自身がアクションチェックを行い、その結果、僅かですが、オモリを重くするようにプラドコ側に要求しました。
しかし、この要求は実現出来ませんでした。
ウッドプラグは木部の浮力の違いがあるので、そのぐらいの重さの違いは影響ないのでは。と言うものでした。
比重差で角度、目の高さが変っている
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もともと「ザラゴッサ」の浮姿勢は少し立ち気味が正しいのですが(オリザラよりも立ち気味)、木部の浮力の違いによって多少のバラツキはありました。
しかし「ザラゴッサ Jr.」はボディーが小さくなった為か、バラツキがさらに目立っているようです。
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とはいえ、ウッドプラグの浮力違いは避けて通れない問題ですが、そのルアーを動かす時に一番使いやすい設定は何処なのか?が重要なはずなのですが・・・・・!
もし、現在売られている「ザラゴッサ Jr.」で、浮姿勢が平行に近く、スライドアクションが出しにくくて、真っ直ぐに来てしまう等の現象が出てしまうようでしたら、ウエイトを貼って調整してみてください。どの程度のウエイトが必要か?は個体によって違うので一概に言えないのですが・・・
私の場合、当社のチューニングシンカー5mmを2枚貼るのを一つの基準とし調整して使っています。
浮力が少し強くて浮き過ぎると感じる時には、ちょっと手が掛かりますが、ボディー全体にクリアー塗料を1〜2度掛けてからオモリ調整をするのも有効です。
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ただし、注意していただきたいのは、ルアーの動きにはロッドの調子も重要な要素なので、ここでは適切なロッドを使用している前提での話です。
このあたりの事は文章で伝え難いことなので、ファンクラブのイベント等でお会いした時にでも詳しく説明出来たらと思います。
いずれにしても個体によってユーザーの皆様にお手数をお掛けすることになっていることを大変遺憾に思っております。
Good Luck! Good Fishing!!
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暖かくなってシーズンインしたら「ザラゴッサJr.」を使って楽しい思い出を一つでも多く作っていただくことを願っています。
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